太陽光発電事業者の倒産が過去最高に

民間信用調査機関の東京商工リサーチによると、2017年1-9月までの「太陽光関連事業者」の倒産は前年同期比61.9%増の68件と、9月の段階で過去最多だった2016年の65件を上回り、過去最高となった。
太陽光発電は2011年の福島原発事故後の電力不足を補うために、国が固定価格買い取り制度(FIT)導入による優遇措置を打ち出し、政策的に大規模なメガソーラーの建設を促進した。遊休地を利用して多くの企業が太陽光発電に取り組んだ結果、世界の再生可能エネルギーの主流は風力だが、日本では太陽後発電が圧倒的なシェアを持った。
太陽光発電ブームが一巡し、我が国も再生可能エネルギーは風力を中心にシフトしそうだ。ただ、政府の政策の変化に嫌気がさし、廃業や淘汰が急速に進めば、政府の再生可能エネルギー政策の行方に暗雲が広がることになりそう。

東京商工リサーチが発表した2017年1-9月「太陽光関連事業者」の主な倒産事例
PVG Solutions(株)(TSR企業コード:352251875、神奈川県、負債約22億円)
2007年に太陽電池セルなど太陽光発電製品の製造・販売を目的に設立。当初はコンサルティングや製品分析などを手掛けていた。2011年にベンチャーキャピタルなどからの出資金や金融機関からの借入を基に、約20億円を投じて愛媛県西条市に工場を建設。太陽電池セルなど太陽電池関連製品の製造に本格参入した。だが、安価な海外製品の流入や固定価格買い取り制度(FIT)見直しによる買取価格の下落、工場建設による借入負担などで資金繰りが逼迫し、2017年2月に横浜地裁から破産開始決定を受けた。
(株)ZEN POWER(TSR企業コード:872097005、福岡県、負債約52億円)
2005年に設立され、福岡県久山町に工場を開設。太陽光発電モジュールの組立、販売を手掛けていた。国内外に販路を築き、2014年12月期の売上高は約74億円を計上していた。しかし、大口取引先だったドイツ企業に不良債権が発生し、急激に資金繰りが悪化。さらに欧州でのモジュール価格の下落、国内での固定買い取り価格の引き下げなどで受注が大幅に落ち込み、2017年4月に福岡地裁から破産開始決定を受けた。
(株)りょうしん電気(TSR企業コード:576244562、大阪府、負債4億7,700万円)
2009年に設立。当初はオール電化製品及び住宅設備機器の販売施工を主体にしていたが、その後、太陽光発電関連事業に参入。太陽光発電システムの販売施工や大阪府内の電器店などを対象に勉強会を通じたコンサルタント業務、アフターフォローのメンテナンス事業部を立ち上げていた。また、和歌山県でメガソーラー事業を開始し、2015年9月期の売上高は44億5,932万円を計上していた。
ところが、太陽光発電関連ブームの収束で、2016年9月期の売上高は29億5,660万円にまで落ち込み、関連会社への出資金や貸付金の処理などで赤字を計上。自社保有のメガソーラー発電所や関連会社の売却を進めたが奏効せず、2017年5月に大阪地裁に破産を申請した。
(株)ISHIO(TSR企業コード:612117200、和歌山県、負債約6,000万円)
2013年に設立され、住宅の新築工事やリフォーム、太陽光発電装置の設置工事などを手掛けていた。設立が浅く財務内容や資産背景が脆弱だったところに、リフォーム工事の案件で回収不能が生じ、資金繰りが逼迫。2017年6月に和歌山地裁から破産開始決定を受けた。
(株)にしもと(TSR企業コード:890236321、大分県、負債4,044万円)
1990年の設立で、塗装工事などを建設工事業者から受注、年商は約4,000万円を維持していたが、利益率は低調で脆弱な財務内容が続いていた。2015年6月期から太陽光発電設備の設置工事にも本格的に参入し、売上高は1億5,354万円に急伸したが、不慣れな面もあり赤字から脱却できず、早々に同事業から撤退した。その結果、2016年6月期の売上高は3,764万円に急減し赤字幅が拡大。その後も業況は改善せず、2017年9月4日に大分地裁へ破産申請した。

 

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