光化学オキシダントの環境基準達成率は0%で改善せず・環境省2009年度の大気汚染状況調査

 環境省がこのほどまとめた、2009年度(平成21年度)の大気汚染状況調査結果によると、光化学スモッグの原因となる光化学オキシダントの環境汚染の深刻な状況がわかりました。光化学オキシダントについて、調査地点1183ケ所のうち環境基準を達成できたのは長野市の1カ所だけで、達成率は0.1%という厳しい状況で、昨年から改善はみられませんでした。光化学オキシダント濃度が一定以上に達したとして知事が注意報を発令したのは28都府県で、山形と鹿児島では初の発令となりました。
 環境省では光化学オキシダントによる環境汚染が都市圏だけでなく、地方にも広く拡大しているとして、今後、対策を急ぐ考えです。光化学オキシダントの原因物質は窒素酸化物で、新たに2006年度から原因物質の揮発性有機化合物(VOC)の排出規制を開始していますが、自動車排ガス対策など主な発生源の対策を総合的に推進していく考えです。
 二酸化窒素(NO2)、浮遊粒子状物質(SPM)、二酸化硫黄(SO2)、については改善が進み、ほとんどの調査地点で環境基準を達成しています。

■エコキーワード
・光化学オキシダント
、窒素酸化物と炭化水素とが光化学反応を起こし生じる、オゾンなどの酸化性物質(オキシダント)の総称。 強力な酸化作用を持ち健康被害を引き起こす大気汚染物質であり、光化学スモッグの原因となります。工場の排煙や自動車の排気ガスなどに含まれる窒素酸化物や炭化水素類(揮発性有機化合物)が、太陽光線を受けて光化学反応を起こすことによって発生します。

▼境省がまとめた2009年度(平成21年度)の大気汚染状況は下記の通り。
 我が国では、大気汚染防止法(以下「大防法」という。)に基づき、都道府県及び大防法上の政令市において大気汚染の常時監視が行われている。 平成21年度末現在の測定局数は、全国で1,961局であり、内訳は一般環境大気測定局(以下「一般局」という。)が1,527局(国設局9局を含む。)、自動車排出ガス測定局(以下「自排局」という。)が434局(国設局10局を含む。)となっている。 平成21年度の測定結果の概要は、以下のとおりである。 環境省としては、本調査結果を踏まえ、環境基準の達成・維持に向けて、工場・事業場の排出ガス対策、自動車排出ガス対策、低公害車の普及等を引き続き総合的に推進していく。
 なお、平成18年度からは、大防法に基づく揮発性有機化合物(VOC)の排出規制を開始し、大気環境の一層の改善を図っているところである。

1 二酸化窒素(NO2)
 環境基準達成率は、一般局では近年ほとんどすべての測定局で環境基準を達成しており、平成18年度から4年連続で100%となった。自排局では95.7%で平成20年度(95.5%)と比較するとほぼ横ばいであった。自動車NOx・PM法の対策地域については、一般局では18年度から4年連続で100%となり、自排局では92.9%で、平成20年度(92.0%)からほぼ横ばいであった。
 なお、年平均値の推移については、一般局、自排局とも近年ゆるやかな改善傾向がみられる。

2 浮遊粒子状物質(SPM)
 環境基準達成率は、一般局で98.8%、自排局で99.5%であり、平成20年度(一般局:99.6%、自排局:99.3%)と比較すると、一般局、自排局ともほぼ横ばいであった。自動車NOx・PM法の対策地域については、一般局、自排局とも100%であった。(平成20年度は、一般局で99.8%、自排局で99.5%)
 また、年平均値の推移については、一般局、自排局とも近年ゆるやかな改善傾向がみられる。

3 光化学オキシダント(Ox)
 環境基準達成率は、一般局で0.1%、自排局で0%であり、達成状況は依然として極めて低い水準となっている(平成20年度 一般局:0.1%、自排局:0%)。
 また、光化学オキシダント注意報等の発令状況は、発令都道府県数が28都府県、発令延日数が123日であり、平成20年度(25都府県、144日)と比べて減少している。近年は発令地域が広域化する傾向にあり、山形県と鹿児島県で観測史上初めて各1日の発令があったが、発令延日数としては最近5年間では最も少なくなっている。(注意報発令状況等については、平成22年1月に公表済)

4 二酸化硫黄(SO2)
 環境基準達成率は、一般局で99.6%、自排局で100%であり、近年ほとんどすべての測定局で環境基準を達成している。

5 一酸化炭素(CO)
 環境基準達成率は、一般局、自排局とも近年すべての測定局で環境基準を達成している。

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