環境省、平成22年版の環境・循環型社会・生物多様性白書を発行

   環境省は1日、平成22年版環境・循環型社会・生物多様性白書が閣議決定されたと発表した。白書は、地球温暖化、生物多様性、水環境、環境と経済の関係等に焦点を当て、これらの問題の現状と今後目指すべき方向性を示している。具体的には温室効果ガスの削減は、経済的なメリットも伴う将来への投資であること、また、地球規模で生物多様性が急速に失われつつあるなかで、10月に愛知県名古屋市で開催される生物多様性条約第10回締約国会議に向けたわが国の取り組みなどをまとめている。

▽環境省が発表した平成22年版環境・循環型社会・生物多様性白書の概要

 第1部 総合的な施策等に関する報告では、人口増加や経済活動の増大に伴って環境への負荷も増大しており、これまでのような経済社会活動を継続することは極めて困難であるという現状認識を示しています。その上で、こうした際限なき発展を指向する経済社会活動が今後目指すべき方向として、枯渇性の資源やエネルギーに過度に依存しない新たな文明を構築し、ただ一つの地球で確かに持続する文明へと人類の社会を新たな段階に発展させるべきことを論じています。
 そのためには、基準となる物差しを改善し、新たな目標を適切に定め、それぞれの主体が努力すること、我が国の優れた技術力により、環境と経済の好循環を国際的な規模でもたらすこと、わが国の持続可能性を踏まえた価値観(もったいない)から技術・制度までをグローバル・ スタンダードとしていくために努力するべきこと等が必要であると訴えています。
  第2部第3章「循環型社会の形成」では、まず「ビジネス・ライフスタイルの変革を通じた循環型社会の道しるべ」と題して、十年の節目を迎えた循環型社会形成推進基本法の下での取組の進捗を振り返っています。また、各国別の資源生産性(※)を比較しながら、わが国はG7の中でも高い資源生産性を達成している一方、中国、インドなどの新興国の資源生産性は低く、工業化に伴う将来的な資源制約の可能性など、近年の国内外の経済社会情勢の変化への対応の必要性について述べています。その上で、以下のような循環型社会構築に向けたビジネススタイル・ライフスタイルの変革の新しい動きが始まっていることをその効果とともに紹介し、連携と協働による取組を始める必要性を記述しています。
・工場の新設の際に建築、設計、施工等の各者の連携により建設から解体に至るまでの廃棄物の抑制やリサイクル性の向上を実現した企業の取組
・家電製品から回収したプラスチック材料を再び自社製品に利用し、100%リサイクル材料の利用を目指す企業の取組
・オフィスにおけるリユースカップ導入事例 ※資源生産性…産業や人々の生活がいかにものを有効に利用しているかを総合的に示す指標。GDPを天然資源投入量で除して算出される。
 第1部第3章及び第2部第5章「生物多様性の保全及び持続可能な利用」では、地球規模で生物多様性が急速に失われつつある中で、企業活動から私たちのライフスタイルまで、生物多様性に配慮した社会経済への転換に向けた取組を示すとともに、本年10月に愛知県名古屋市で開催される生物多様性条約第10回締約国会議に向け、議長国として、わが国がリードする主要議題(ポスト2010年目標、ABS(遺伝資源へのアクセスと利益配分)の国際的枠組みの構築、持続可能な利用等)について記述しています。

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