実践的な環境教育で就職内定率90.2%・福岡工業大学社会環境学部

エコキャンパスレポート

 

文科系の環境学部で就職内定率は9割

127.jpg 就職氷河期といわれるが、就職内定率90.2%(2010年3月卒業生)という驚異的な実績をあげているのが福岡工業大学社会環境学部だ。博多から北九州にかけての鹿児島本線沿線には各種大学が集まる。福岡工業大学は博多から電車で15分程度、大学の名が駅名となっているのでわかりやすい。駅からでると緑あふれる大学のキャンパスにつながっている。

 工業大学だが、社会環境学部は「文科系」の学部なのである。環境を軸にしながら、「社会が何を必要としているのかをゼロから考えてもらい、実践的な学習を通じて環境人間力をもった人材を育成する」と社会環境学科学科長の阿山光利教授(=写真)。学部のキーワードは「環境人間力」。世界的に広がる環境問題に対し、企業や自治体などで意欲的に環境保全に取り組める「環境人間力」が求められているとし、体系的な学習を通じて「知識」を「知恵」として生かせる人材を育成する。

社会とのつながり、体験を重視した教育

 この学部のユニークな教育体系は教員の紹介ページをみるとすぐに理解できる。教員の担当が「環境+○○」と表示される。○○は経済、法律、経営、政策、など幅広い。学習のまんなかにあるのが「環
img_manabi2.png境」であり、環境を軸に総合的に幅広い分野を学習するのである(左図参照、同学部のホームページより)。

 それだけではない。「環境を通じて社会や企業とのつながりを持つ活動も重要」と環境経済学が専門の鄭雨宗准教授。福岡工大はいち早く環境マネジメントの国際規格であるISO14001を取得し、学生も参加する形で、学内で環境保全活動を展開している。学外でのISO14001の成果発表会への参加などを通じて企業や社会の動きを実践的に学習している。

 2006年には環境保全活動の一環として、学内にビオトープをつくった。学生による「ビオトープ研究会」が中心となって整備した学内の「自然環境」には多様な野生生物が集まるようになり、学習の場としても利用されている。ビオトープは外部にも公開しており、年に4回、地域住民も参加する自然観察会を実施している。

モチベーションの向上にeco検定取得を推奨

 環境問題を通じて、いろいろな体験を積ませる。将来の道を模索している学生は環境を軸にした体系的な学習といろいろな体験を通じて、自ら進むべき方向を考えていく。「基礎学力を持っていれば時代の変化にも柔軟に対応できる」と阿山学科長。

 121.jpg 学生のモチベーションを高めるために、最近、力を入れているのが東京商工会議所が主催している環境社会検定(eco検定)の取得だ。担当の鄭雨宗准教授(=写真)は「エコ検定の合格で学生に自信を持たせ、とにかく一歩踏み出して欲しい」とeco検定を大学のプログラムに取り入れた理由を説明する。eco検定合格を機に、NPO活動に参加するのもよし、ベンチャー企業で働くもよし。エコ検定をきっかけに前に進んで欲しいという。学年に関係なく、受験を推奨しており、合格したら受験料は学生に返すといったインセンティブも与えている。

 環境を軸にし、常に社会とのつながりを意識した実践的な教育が高い就職率につながっているようだ。もっとも学生の就職先は環境関連の企業というわけではない。アパレル、電力、大手家電メーカー、警察官など幅広い。社会環境学部での環境の総合学習は企業や役所など職種・職業にかかわらず生きることだろう。

あわせて読みたい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA