生物多様性条約COP10が開幕・「名古屋議定書」採択が焦点に

 国連生物多様性条約第10回締約国会議が11日から29日まで名古屋で開催される。事前の交渉で先進国と途上国が遺伝資源をめぐって対立しており、会期中に遺伝資源の利用と利益配分を定める「名古屋議定書」が採択できるかどうか。また、2020年までの生体系の保全目標を設定できるかが焦点となる。生物多様性条約は10年目の節目を迎え、名古屋の会議は極めて重要な意味を持つ。温暖化防止の気候変動枠組条約では京都議定書が大きな役割を演じたが、実効性のある名古屋議定書を採択できるかどうかは、今後の地球環境対策に大きな影響を与える。

 COP10には世界から政府や企業、市民団体など約8000人が参加。遺伝資源をめぐってはこれまでの事務レベルの協議で、遺伝資源から生み出される医薬品開発などの利益還元法などをめぐって先進国と途上国が激しく対立。9月にモントリオールで行われた準備会合で、結論は本会議に先送りされた。このため、名古屋議定書を採択できるかどうかは閣僚級の会議での結論次第とみられている。

 遺伝子組み換え(GM)生物・作物の貿易ルールを定めた「カルタヘナ議定書」の第5回締約国会議(MOP5)も名古屋で同時に開催される予定で、これまでの協議で遺伝子組み換え作物の輸出国と、輸入国の間で、遺伝子組み換え生物・作物が生態系に被害を与えた場合の保障問題について一定の合意が得られる見通しで、本会議での採択を目指している。

<解説>
 生物多様性条約は気候変動枠組条約と同じ1992年に地球サミットで署名が開始されたことから双子条約とも呼ばれ、国連主導の環境関連条約の柱となっています。気候変動枠組条約は昨年コペンハーゲンで開催されたCOP15が紛糾、具体的な削減目標をできませんでした。地球温暖化問題が停滞するなかで、国連としても生物多様性については一定の成果をあげたいところです。議長国の日本としてはその手腕を問われています。

◎キーワード
・カルタヘナ議定書
 遺伝子組み換え生物・作物の国境を越える移動に関する手続きを定めた国際的な枠組み。輸入国で生態系に影響を防ぐのが目的で、生物多様性条約締約国会議で議定書の採択に合意、03年に発効した。日本を含む160カ国・地域が批准したが、遺伝子組み換え作物の主産国の米国などは批准していない。

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1件の返信

  1. COP10「名古屋議定書」に合意

    名古屋市で開かれている生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)は最終日の29日夜から、翌30日未明にかけて全体会合を開き、最大の焦点となっている生物…

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