東電福島原発事故、不安な生物濃縮

 東京電力福島第一原発事故で大量の放射性物質が海洋に流出していることがわかり、「生物濃縮」への不安が高まっています。生物濃縮は食物連鎖の過程で汚染物質の濃度が高まっていくことで、水俣病では高濃度のメチル水銀を蓄積した魚を食べた人間が発病しました。当初、専門家は、一定濃度にならなければ放射性物質の生物濃縮は起きないとコメントしていましたが、高濃度の放射性物質が検出されるようになり、生物濃縮の可能性は否定できなくなってきました。

 枝野官房長官は原子炉から高濃度の放射性物質に汚染された水が流出していることは確実といっています。流出した水が土壌汚染を通じて、海洋に流れている恐れは否定できません。魚介類に生物濃縮の影響がでるのには時間がかかるといわれていますが、仮に汚染が進んでいた場合、いつ、どのような影響がでるのか説明はありません。現段階では魚介類の出荷停止の必要はないと発表するだけでは不安は解消されません。

■エコキーワード
・生物濃縮
 生物が外界の物質を外界より高い濃度で生体内に蓄積する現象。生態系の食べる、食べられるの関係を食物連鎖というが、蓄積性のある物質が食物連鎖により生物濃縮を起こす。食物連鎖を通じて生物濃縮が進む場合には、食物連鎖の高次に位置する生物でより高濃度に濃縮される。物質によっては数万倍の濃度になる。水俣病はメチル水銀の生物濃縮が原因となった。

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