政府、震災理由に京都議定書の例外扱いを要請・温暖化ガス削減の動きが世界規模で後退も

 国連気候変動枠組み条約第17回締約国会合(COP17)の準備会合が3日からタイのバンコクで開かれているが、日本経済新聞によると、日本政府は震災被害により温暖化ガス削減が困難となったとして、京都議定書の例外扱いを要請する。福島原発分を火力発電で代替した場合、削減目標の達成が不可能となるためだが、原発見直し機運は世界に広がっており、日本の提案により、温暖化ガス削減に対する世界の取り組みが大きく後退する可能性が高い。

 日本は京都議定書で1990年比で温暖化ガスを2012年までに6%削減すると公約している。しかし、福島第一原発の発電分を火力で代替した場合、温暖化ガスの排出量は1.8%増となるという。このため日本政府としては、地震により目標達成は困難になったとし、目標が達成できなくても罰則を適用しないよう要請する。
 
 国連気候変動枠組み条約をめぐっては温暖化ガスの削減目標をめぐって各国の利害が対立し、2013年以降の枠組みであるいわゆる「ポスト京都議定書」の合意が困難を極めている。コペンハーゲンのCOP15、カンクン(メキシコ)のCOP16で合意できず、年末に南アフリカで開かれるのCOP17での合意を目指していた。

 温暖化ガス削減にもっとも意欲的に取り組んできた日本が震災を理由に実質的に条約から離脱する影響は大きい。条約はもともと、米が批准せず、二酸化炭素の最大の排出国である中国が削減義務を負わないという欠陥が指摘されてきた。

 福島原発事故の衝撃で世界的に原発見直し機運が高まっており、日本に続いて削減目標の変更を訴える国が相次ぐことも予想され、気候変動枠組み条約は極めて厳しい局面を迎えたといえる。

■エコキーワード
・京都議定書
 先進国に対し、2008年-2012年に、先進国全体の温室効果ガス6種の合計排出量を1990年に比べて5.2%削減することを義務づけた。日本の削減目標は6%。目標を達成できなかった場合には2013年以降の削減目標を上乗せするなどの罰則がある。目標を達成するため京都メカニズム(共同実施・CDM・排出権取引)と呼ばれる柔軟措置も導入した。

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