日本政府、京都議定書延長に反対する姿勢を強調

  地球温暖化対策を推進する国連気候変動枠組み条約の作業部会に出席中の日本政府代表団は6日、異例の記者会見を行い、2012年に期限が切れる京都議定書の第一約束期間後の枠組みであるポスト京都のあり方について、京都議定書の枠組み延長にあらためて反対する姿勢を強調した。11月末に南アフリカのダーバンで開催されるCOP17に向けて、EUは京都議定書の枠組みを延長する案に賛成する方向で調整を進めており、10月中旬に開催するEU首脳会議でEUの案を最終決定する方針。京都議定書の延長に反対する国は日本のほかはロシア程度で、孤立感を強める日本は反対の姿勢と主張の正当性を国際世論にアピールするねらいがあるものとみられる。
 
 ポスト京都については 2009年にデンマーク・コペンハーゲンで開催されたCOP15まで決定する予定だったが、各国の利害が対立しまとまらなかった。2010年にメキシコのカンクンで開催されたCOP16でも決着がつかず、COP16では日本とともに京都議定書の延長に反対していたEUが延長に条件付で同調、かたくなに延長に反対する日本は孤立する形となった。
 
 京都議定書では先進国だけが温室効果ガスの削減義務を負い、しかも途上国だけでなく、最大の排出国である中国、2位の米国が削減義務を負っていない。これでは実効性のある地球温暖化対策にはならないというのが日本の主張。日本は福島原発事故により、原発を軸に二酸化炭素の排出削減を進めるという政策の根幹が揺らいでおり、1990年比で6%削減する第一約束期間の目標達成も難しい情勢。ポスト京都で京都議定書の枠組みが延長され重い削減義務を負えば、日本の産業界への深刻な影響は避けられない。米中を含めた削減の枠組みができなければ、日本は条約から離脱する可能性も指摘されている。
 
■エコキーワード
・ポスト京都議定書
 京都議定書で定められている第一約束期間(2008-2012年)以降の枠組みのこと。京都議定書では温室効果ガス削減の第一段階として、2012年までに締約国の温室効果ガス総排出量を1990年比で5.2%削減する目標を決めている。日本は6%の削減義務を負っている。各国の利害が対立し、ポスト京都の枠組みづくりは遅れており、11月末に南アフリカのダーバンで開催されるCOP17で決着するかどうか注目を集めている。

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