深刻化するサヘルの干ばつ

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  日本の新聞ではあまりとりあげられていませんが、アフリカのサヘル地域の干ばつが再び深刻化しています。昨年1年間、ほとんど雨がふらなかったために穀物の収穫は半分以下となり、食料不足も深刻です。日本は世界で砂漠化問題にもっとも感心が薄い国かもしれませんが、春の黄砂も砂漠化の影響です。サヘルを例に砂漠化の問題を考えてみましょう。
 サヘルはアフリカサハラ砂漠の南縁に東西に帯状に広がる半乾燥地域で面積は日本の約10倍、約6000万人が暮らしているといわれます。以前から深刻な干ばつが起きています。1968年に始まった干ばつではモーリタニア、マリ、チャド、ニジェール、中心に100万人が命を落とし5000万人が影響を受けました。世界でも最も貧しい地域といわれ、繰り返される悲惨な干ばつに国連が積極的に関与するようになり、1996年には砂漠化対処条約が発効します。条約をつくる契機となったのがサヘルの干ばつです。
 サヘルの干ばつの背景にあるのは貧困、人口増にともなう過放牧、薪炭材の過伐採、粗放的な土地利用が原因です。砂漠化の理由の大半は人為的なものといわれています。春になるとアジア大陸から日本に黄砂が飛来します。アジアの内陸部で砂漠化が進んでいるのが原因です。砂漠化対策として植林などが進められていますが抜本的な対策にはならず、世界規模で砂漠化が進んでいます。
 今回のサヘルの干ばつはここ10年でもっとも広範囲に及んでおり、7カ国で飢餓に苦しむ人は1000万人ともいわれています。国連が支援にあたっていますが、国連の能力には限界にきており、各国に協力を求めています。
 危機を深刻化させているのが国際的な穀物価格の上昇です。特にトウモロコシは石油価格の高騰からバイオエタノールの原料として消費されるようになりました。アメリカ、ブラジルなどでバイオエタノールがガソリンの代替として普及しています。収穫量をあげるために遺伝子組み換えトウモロコシも急増しています。バイオエタノールも再生可能エネルギーとして注目されていますが、バイオエタノールの方が収益が上がれば、食糧となるトウモロコシは不足します。いろいろな問題が相互に関連しあっており、簡単には解決できません。

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