政府が生物多様性戦略を閣議決定

 政府は2008年に施行された生物多様性基本法に基づいて国が策定する生物多様性国家戦略を閣議決定した。
 国家戦略では10月に名古屋市で開催される生物多様性条約第10 回締約国会議(COP10)を視野に、2050年までの中長期目標、2020年までの短期目標を設定、COP10の日本開催を踏まえた国際的な取組の推進とCOP10を契機とした国内施策の充実・強化、を柱としてとしている。
 具体的には2050年には「生物多様性の状態を現状以上に豊か」にし、「生態系サービスの恩恵を持続的に拡大させる」。2020年までに「生物多様性の損失を止める」ために、必要な施策を掲げた。また、COP10では日本の里山をモデルに「SATOYAMAイニシアティブ」の推進をあげている。
 鳩山首相がトキの訓練施設へのテンの侵入事故への対応に関する記述を追加するよう御指示があり、それを受けて、今後、こういった問題が生じないよう、管理体制の充実を徹底ことを追記することも閣議決定した。

▽ecoキーワード
・生物多様性条約
 正式名称は「生物の多様性に関する条約」。1992年にリオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)で開催された国連環境開発会議(地球サミット)で採択された条約のひとつ。生物の多様性を「生態系」、「種」、「遺伝子」3つのレベルでとらえ、生物多様性を保全し、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正な配分を目的とする。第6条では締約国は生物多様性の保全と持続的利用のための「生物多様性国家戦略」を作成することになっている。
 遺伝子組換え生物など生物多様性に悪影響を及ぼすおそれのあるバイオテクノロジーによって改変された生物の移送、取り扱い、利用の手続き等については、カルタヘナ議定書が採択されている。
 締約国会議(COP)の事務局はカナダのモントリオール。

・生物多様性基本法
 「生物多様性条約」の国内実施に関する包括的な法律として、2008年に成立。

・トキ
 学名はニッポニア・ニッポン。日本では絶滅し、中国から寄贈されたトキを潟県佐渡市の「佐渡トキ保護センター」で人工繁殖。環境省はトキの野生復帰を実現するための施設をつくり、野生復帰に取り組んでいる。環境省のレッドデータブックでは野生絶滅(EW)。

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